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Mar 14, 2018

急潮で強い思いと一緒に育った濃いあおさ

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■事のはじまり

それはひょんな事から始まった。

あるイベントで皆に分けるためにイワシビルに「あおさ」が持ち込まれた。茶色いクラフトの袋に「COCOROOSA」の文字。石元淳平さんの作った「あおさ」である。淳平さんのことは1年程前から知っていたが一言二言話したことがあるくらい。イベントも終わり皆に渡しそびれたのかたくさんの「COCOROOSA」が置かれていった。

大量にあるので販売してもよいかと淳平さんに聞いたとろ「いいんですか?!!ありがとうございます!」との返事。この返事だけで淳平さんの人柄が伝わってくる。ただ、イワシビルで販売する場合その商品の事を知っていなくてはならない、売るための特徴について2,3聞こうとメールを送ったら商品特徴というより熱い「思い」が返ってきた。これも淳平さんらしい。これはたぶん直接会って話を聞いた方が心に記憶できると思い、予定を合わせ数日後に合いに行った。

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■三大急潮で育つ濃いあおさ

阿久根から車で約1時間。長島の諸浦、その場所は何年か前にも他の漁師さんにも話を聞いたあおさの場所だった。車から降りると潮と海藻の香り。ちょうどワカメを水揚げしている漁師さんがいた。この場所で乾燥あおさをつくっている漁師が30件以上もいるらしい。淳平さんにあってすぐ、淳平さんの指示により軽トラックの荷台に7人乗り込み、すぐ近くのあおさの漁場へ向かう。まるで日本ではないどこかへタイムスリップしたかのようだ。
目の前に広がる海と山、向こう側には熊本が見える。そして青々とした「あおさ」がいくつもの網にびっしりと育っていた。この場所は日本三大急潮ともいわれる場所で渦巻きもできるくらい潮の流れが早い。そのため海水が滞留することなく常に新鮮な海水に「あおさ」が触れて育つ。流れも速いからか、丈夫な色も味も濃いものになるそうだ。あおさの育成場所は昔から代々決められた場所で淳平さんの場所は特に潮の流れが激しく良いあおさができるという。最初に陸に近い所で網に自然に種を付ける。ある高さにすると「あおさ」の種がつくが、その位置を高くすると海苔がついてくるそうだ。昔から「あおさ」はこの高さでつくと決まっているらしい。面白い。それから沖に網をだし、潮の満ち引きで青さが育っていく。

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■等級のこだわり
1月末から5月前半まで「あおさ」は獲れるが最初に獲れたものほど味が濃く、上等なものになる。「あおさ」は1等~4等まで出来で評価される。しかし1等の中でも差があったり、人と人との関係で本当は2等なのに1等と評価されることもありそうだ・・・
淳平さんは質の良いあおさとそうでないものでしっかりと価格で評価されなくては良いあおさを作る漁師が少なくなると危惧している。だからこそ「石元淳平醸造」自分の名前をフルネームで使い商品の品質の全責任を自分が負う。「COCOROOSA」はこの旬の時期の1等だけを使用し、出来立てを冷凍しておき出荷の際にとりだしている。

■鹿児島のあおさは全国2位
長島では年間100トンのあおさが獲れ鹿児島は三重県に次いで2位の実績。その他には福島などもあり、リアス式海岸のような地形でとれる。しかし味は鹿児島の方が濃く、三重で混ぜて使われることも多いとの事、なんだかお茶に似ている。新原製茶(すすむ屋)の新原さんも静岡の老木からとれる茶葉に鹿児島の濃い茶葉を混ぜてブレンド茶にすることが多いと言っていた。
年々海水温度が上がってきているせいか、あおさが白く干からびてしまう部分もでてきているようで数年前より育ちが悪くなってきているらしい。これから数年後にはとれなくなるかもとも話していた。魚も30年周期で獲れるものが変わったりする。潮の流れ、海水温度によるものだろう。

■低温乾燥で味も色も深まる

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あおさを水揚げすると海水を使って機械で洗い、不純物を取り除く。その後高速で回転させて水分をとばし、機械でコンテナに拡げていく。そのコンテナを大型の乾燥機に重ねていき、湿度と商品の色を見て温度を調整するそうだ。淳平さんのところでは40℃の低温乾燥で約6時間乾燥させる。重量は生の状態から10分の1ほどになる。他の地域では60℃位の温度でやるところも多く、その分短時間で出来上がるが色が黄緑色になってしまい味も劣る。事務所に戻ると奥さんが作ってくれた「がね」にあおさを混ぜ込んだものを食べさせてくれた。「がね」は鹿児島の郷土料理だが、あおさを混ぜたものは初めて食べる。口の中に入れるとあおさの風味がふんわりと広がり、いもの甘さととても合う。長島の特産品になれるだろう。

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■元パイオニア社員が長島で味噌作り
機械を取り入れたことで今まで15人で行っていた作業も5人でできるようになったと言う。淳平さんは10年前に長島に帰ってきたが、その前はパイオニアで工場のライン等を組む仕事が主だったそうだ。その経験が活かされ、作業の効率化につながっている。パイオニアで本気で社長になってやろうと思っていたそうだが、尊敬する先輩でさえこのくらいの役職でとまってしまうというのがわかり、自分の将来も見えつまらなくなってしまい地元に帰ろうと決心したそうだ。帰ってきてからは何の仕事をしようかと給料も良かったことから近くの味噌屋で働いた。そこから工場長になり、味噌作りが楽しくなってきた。色んな所をまわり、味噌作りを研究し今まで定説とされている味噌の製法を見直しながら自分独自の味噌の作り方を確立していった。美味しい味噌を追求していくと、大手の効率化された味噌ではなく、おばあちゃんがつくっているような昔ながらな手作り味噌の製法に近くなったという。味噌はフランスへ輸出し、世界的に有名な味噌にできると話していた。追求したからこそ絶対的な自信があるのだろう。まずはフレンチのシェフのつながりで海外で拡がる事をすすめている。今回は味噌についてはあまり聞けなかったが、次回は味噌について聞いていきたいと思う。

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